・・・・・ Vol.2 キャッシュフロー計算書 ・・・・・
財務諸表の目的は広範な会計情報の利用者が、合理的な経済的意思決定を行うにあたって、企業の現金及び現金同等物を獲得する能力と現金
及び現金同等物の発生の時期や確実性を評価できるように、企業の財政状態、経営成績及び財政状態の変動に関る情報を提供することです。
『キャッシュフロー計算書』は、貸借対照表及び損益計算書と同様に企業活動全体を対象とする重要な情報を提供するものです。 今回は、『キャッシュフロー計算書』における、表示区分を中心にまとめてみました。基本的なことを簡単にまとめたものですので、
物足らないかもしれませんが、ご了承下さいm( ..)m
キャッシュフロー計算書とは
『キャッシュフロー計算書』は、一定期間のキャッシュフローを表示する財務諸表です。キャッシュフローとは、現金及び現金同等物の流入と
流出をいいます。現金は、手許現金(現金の他にも現金勘定で処理される項目)と要求払預金(当座預金、普通預金など)を意味しています。 現金同等物は、短期の流動性の高い投資のうち、容易に一定金額に換算可能で、価値変動について僅かなリスクしか負わないものをいいます。
現金同等物には、取得日から3ヶ月以内に満期日又は償還日が到来する短期的な投資を、一般的な例としています。
『キャッシュフロー計算書』においては、一会計期間におけるキャッシュフローを
T.「営業活動によるキャッシュフロー」
U.「投資活動によるキャッシュフロー」
V.「財務活動によるキャッシュフロー」
の三つに区分して表示します。
≪キャッシュフロー計算書≫
T 営業活動によるキャッシュフロー | ××× |
U 投資活動によるキャッシュフロー | ××× |
V 財務活動によるキャッシュフロー | ××× |
W 現金及び現金同等物に係る換算差額 | ××× |
|
_____ |
X 現金及び現金同等物の増加額 | ××× |
Y 現金及び現金同等物の期首残高 | ××× |
|
_____ |
Z 現金及び現金同等物の期末残高 | ××× |
T.「営業活動によるキャッシュフロー」
内容:営業損益計算の対象となった取引のほか、投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュフローを記載する。
「営業活動によるキャッシュフロー」には、下記のようなものが含まれる。
(具体例)
・商品の販売及び役務の提供による収入
・商品及び役務の購入のよる支出
・従業員及び役員に対する報酬の支出
・災害による保険金収入
・損害賠償金の支払
・法人税等の支払い及び追徴還付
など
「営業活動によるキャッシュフロー」の報告には、
間接法と直接法があります。
直接法は、主要な取引ごとに収入総額と支出総額を表示する方法で、
間接法は、純利益に必要な調整項目を加減して表示する方法です。間接法と直接法の違いは、以下のようになります。
≪間接法≫
税引前当期純利益 | ××× |
減価償却費 | ××× |
貸倒引当金の増加額 | ××× |
受取利息及び受取配当金 | △××× |
支払利息 | ××× |
為替差損 | ××× |
有形固定資産売却益 | △××× |
損害賠償損失 | ××× |
売上債権の増加額 | △××× |
たな卸資産の減少額 | ××× |
仕入債務の減少額 | △××× |
: | : |
小 計 | ××× |
利息及び配当金の受取額※ | ××× |
利息の支払額※ | △××× |
損害賠償金の支払額 | △××× |
: | : |
法人税等の支払額 | △××× |
営業活動のよるキャッシュフロー | ○○○ |
≪直接法≫
営業収入 | ××× |
原材料又は商品の仕入支出 | △××× |
人件費の支出 | △××× |
その他の営業支出 | △××× |
小 計 | ××× |
利息及び配当金の受取額※ | ××× |
利息の支払額※ | △××× |
損害賠償金の支払額 | △××× |
: | ××× |
法人税等の支払額 | △××× |
営業活動によるキャッシュフロー | ○○○ |
※利息及び配当金に係るキャッシュフローは、次の2つの記載方法が認められています。
@受取利息、受取配当金及び支払利息は「営業活動によるキャッシュフロー」の区分に記載し、支払配当金は「財務活動のよるキャッシュフロー」 の区分に記載する方法
A受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュフロー」の区分に記載し、支払利息及び支払配当金は「財務活動のよるキャッシュフロー」
の区分に記載する方法
U.「投資活動によるキャッシュフロー」
内容:固定資産の取得及び売却、現金同等物に含まれない短期投資の取得及び売却等によるキャッシュフローを記載する。
「投資活動によるキャッシュフロー」には、下記のようなものが含まれる。
(具体例)
・固定資産の取得による支出及び売却による収入
・有価証券(現金同等物を除く)及び投資有価証券の取得による支出及び売却による収入
・貸付による支出及び貸付金の回収による収入
など
有価証券の取得による支出 | △××× |
有価証券の売却による収入 | ××× |
有形固定資産の取得による支出 | △××× |
有形固定資産の売却による収入 | ××× |
貸付による支出 | △××× |
貸付金の回収による収入 | ××× |
: | : |
投資活動によるキャッシュフロー | ○○○ |
V.「財務活動によるキャッシュフロー」
内容:資金の調達及び返済によるキャッシュフローを記載する。
「財務活動によるキャッシュフロー」には、下記のようなものが含まれる。
(具体例)
・株式の発行による収入
・自己株式の取得による支出
・配当金の支払
・借入による収入及び返済による支出
など
短期借入による収入 | ××× |
短期借入金の返済による支出 | △××× |
社債の発行による収入 | ××× |
社債の償還による支出 | △××× |
株式の発行による収入 | ××× |
自己株式の取得による支出 | △××× |
配当金の支払額 | △××× |
: | : |
財務活動によるキャッシュフロー | ○○○ |
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